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事業背景

私たちの生活にナビゲーション技術は欠かせません。カーナビやスマートフォンで目的地までの道順を案内してもらうことも多いでしょう。この技術は、人工衛星からのGPS信号を使ったものになります。

しかし、どこでもGPS信号が届く訳ではありません。トンネルや地下鉄の中でGPS信号の受信が途絶えた経験を持つ方もいらっしゃると思います。

少しの間GPS信号が切れただけなら、直ぐに再び信号をキャッチして自分の位置情報を補正することが可能です。しかし、長い間GPS信号が使えない場所、あるいはそもそもGPS信号が届かない場所ではどうなるでしょうか?そこでは、非GPS航法として慣性航法装置というものが必要になります。

慣性航法装置とは大雑把に言うと、スタート地点から自分がどれだけ加速してきたのか、自分がどれだけ回転してきたのか、を常に記録しておき、それによって現在の自分の位置や向きを計算する装置です。

深い海の中や遠い宇宙ではGPS信号が届かないため、この慣性航法装置が必要です。ただし、その性能が不十分だと、計算した自分の位置や向きの情報に誤差が生じてしまいます。特に長時間使用した場合には、その誤差が段々と積み重なって大きな誤差となってしまいます。

私たちは最先端の量子技術を活用して、これまでにない性能を示す超高精度なナビゲーション技術「量子慣性航法装置」を開発します。これによって、例えば、私たちの装置を載せた自律型無人潜水機(AUV)が日本近海の海底エネルギー資源を長時間にわたって調査することが可能となるでしょう。深宇宙探査といった宇宙事業への貢献も考えられます。このようにGPS信号の届かない場所での活動が飛躍的に発展すると期待されます。

 

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